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全身から心臓へ戻る血液が通る道を「静脈」と言います。足の静脈には、足の奥深くを走行する「深部静脈」と足の表面を走行する「表在静脈」があります。
通常、血液は、表在静脈から深部静脈に流れ、その間には一方向弁がついていて、血液が逆流しないようになっています。一方向弁が壊れ、深部静脈より表在静脈に血液が逆流するようになると、表在静脈が拡張して「下肢静脈瘤」となります。
足がだるくなったり、こむらがえりが起きたり、足がむくむようになったりします。また、湿疹や色素沈着を認めたり、皮膚が硬くなったり、皮膚の潰瘍を認めるようになります。
(1)弾性ストッキング
症状が軽い場合は、まず、弾性ストッキングにて経過をみます。
症状が悪化した場合、手術が必要になります。
ふくらはぎの内側の大伏在静脈に静脈瘤ができている場合は、(2)血管内焼灼術+(5)静脈瘤切除術、または(3)静脈抜去術(ストリッピング手術)+(5)静脈瘤切除術を行います。
ふくらはぎの後側の小伏在静脈に静脈瘤ができている場合は、(4)高位結紮術+(5)静脈瘤切除術を行います。
(2)血管内焼灼術
カテーテルを使用して、レーザーや高周波で静脈瘤を焼灼する治療法。2022年より当院でも治療を開始しました。切開が不要で、痛みや出血が少ないことが利点です。
(3)静脈抜去術(ストリッピング手術)
太ももにある大伏在静脈が下肢静脈瘤の原因の場合(多くの下肢静脈瘤の場合)、足の付け根と膝の2か所を小さく切開し、太ももの大伏在静脈を抜去する根治的な手術方法。
(4)高位結紮術
ふくらはぎにある小伏在静脈の逆流が原因の場合、小伏在静脈を膝裏で結紮する手術方法。
(5)静脈瘤切除術
当院ではStab avulsion法といって、約2mmの小さな切開で静脈瘤を切除しており、創部目立ちません。
(6)硬化療法