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(心房細動、心臓頻拍、発作性上室頻拍、WPW症候群、心室細動、心室頻拍、洞不全症候群、房室ブロックなど)
不整脈とは、心臓の拍動のリズムが乱れる状態のことです。ドキドキといった動悸、ふらつき、めまい、眼の前が暗くなる、気を失うなどの症状を引き起こすことがあります。また、重篤な心臓病のサインとしてあらわれてくることも知られています。無症状だからといって放置していると、心臓の機能が低下したり、心不全、脳梗塞、意識消失、心肺停止などを引き起こすこともある病気です。一方で、発作的に発生することも多く、診断が遅れがちになることも多い病気であり、早期発見、早期治療が重要となります。
近年は、心房細動の方が増加しています。正常の心臓では、心房(右心房・左心房)→心室(右心室・左心室)の順番に規則正しく心臓が収縮しますが、心房細動では心房が非常に早く不規則に動きます。心房細動になると、心房の中で血液がよどみ、心不全を起こしやすくなり、また、血の塊(血栓)ができやすくなって脳梗塞を起こしやすくなります。心房細動による脳梗塞は、大きな脳梗塞となりやすく、後遺症のために生活が大きく変わることも多いです。
(1)薬物治療
薬により不整脈を治す方法です。
(2)電気的除細動
電気ショックにより不整脈を治す方法です。
(3)カテーテルアブレーション
カテーテル(細い管)を使って、不整脈の原因となっている電気的な乱れにやけどをつくって治す方法です。心房細動、心房粗動、上室性頻拍(房室結節回帰性)、WPW症候群、心室頻拍などに対して、高い確率で治すことができる方法です。
心房細動による不全を起こした場合、カテーテルアブレーションにより心不全の危険性が減ると報告されています。
(4)ペースメーカー植込術
洞不全症候群や房室ブロックなどで、脈が非常に遅くなる場合に適応となります。
(5)植込型除細動器
心室頻拍や心室細動など、生命にかかわる不整脈の場合に適応となります。
(6)心臓再同期療法(CRT)
心不全で、薬物治療では十分コントロールができない場合に、心臓再同期療法の適応になることがあります。
(7)メイズ手術、(開胸による)肺静脈隔離術
心臓手術を行う方で、心房細動を合併している場合、同時に不整脈手術を行うことがあります。
開胸し、不整脈の原因となる心臓の電気回路を高周波や冷凍凝固で焼き切ります。時々心房細動となる「発作性心房細動」では不整脈手術で治りやすく、長期間持続的に心房細動となっている「持続性心房細動」では治る確率がやや低くなります。
(8)左心耳切除術
心房細動になると、左心房の部分で耳のような形となった「左心耳」に、血の塊(血栓)ができやすくなります。血栓は脳梗塞の原因となるため、心房細動を合併された方の場合、左心耳を切除して血栓ができにくいようにし、将来的な脳梗塞を予防する方法があります。