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ひまわり編集部が聞く!Interview

胆石の症状と治療

2022.07.01
胆石の症状と治療

胆石ってよく聞くけど、どんな病気?!症状・治療・予防など当院の消化器外科部長尾池医師にひまわり編集部が聞いて来ました!

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胆石ってどんな病気ですか?

肝臓はさまざまな働きをしていますが、その一つに胆汁を作る役割があります。胆汁は胆嚢が作っているんじゃないんです。胆嚢はその貯蔵庫です。脂っこいものを食べると、消化を助けるために蓄えた胆汁を胆管に向けて絞り出します。この働きが悪くなると胆汁が貯まったまま澱み、どろになったり石ができたりします。
胆石ができると胆嚢炎を起こして腹痛・発熱・肝機能異常などの症状をおこします。胆管に結石が落ちた場合は閉塞性胆管炎というさらに危険な感染・炎症の危険性があります。石によって胆汁の流れが詰まり逃げ場のない中での感染は重症化しやすく、敗血症を起こすこともあります。

胆石はすごく痛いんですよね?

皆さんそうおっしゃるんですが、実は、にぶい痛みだったり、「胃が重い感じ」程度の方が多いんです。検診や人間ドックなど超音波検査で、胆石が見つかった方に聞くと、「私は一回も痛くなったことがないけど、胃が弱いんです。」とおっしゃる方が多いんですよ。
胆石があっても痛みを起こさないことはよくあることですが、実際には胆石の症状が出ていることに気がついていない方もいらっしゃいます。典型的な胆石の症状として有名なのは、右の肋骨の下のあたりの激痛ですが、みぞおちの鈍痛や重い感じを繰り返して、胃の症状だと勘違いされていたり、右の背中あたりが痛むことが多いのです。特徴的なのは食後や夕食後夜間におこることです。

胆石はどのような治療をしますか?

胆石があっても症状が無い間は放置していてもよいとされていますが、一度でも症状が出た場合は、治療が必要です。治療は2通りあり、薬で石を溶かすか手術かのどちらかです。ただ残念ながら、まず薬で溶ける結石は少なく、溶ける場合も数ヶ月かかります。薬をやめるとまた石ができてしまう。といったわけで、実際に症状がある胆石の治療には、薬では間に合わないことがほとんどです。
結石の手術と聞けば、胆石だけを取りのぞくように思うのですが、そうではありません。
機能が悪くなった胆嚢を残しても、また胆石を作ってしまいます。そのため、胆嚢を全て取り出す胆嚢摘出術が必要です。

胆嚢摘出術とはどのような手術ですか?

胆嚢摘出術の大半は腹腔鏡でおこないます。開腹手術では10cm程度の傷が必要になりますが、腹腔鏡は3mmから1cmくらいの穴を数カ所あけて手術をします。創を小さくする腹腔鏡手術の目的は美容ではなく、痛みを小さくして早く回復してもらうためです。
しかし、炎症・癒着が強い場合には難しいことがあり、開腹手術に切り替えることがあります。ほとんどが激烈な急性胆嚢炎の場合ですが、慢性的に何度も繰り返している場合もひどい癒着を起こしていることがあります。
ですから、一度でも胆石の症状が現れた方は、次に痛みを起こすまえに早めに手術を受ける方が良いのです。

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