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消化器内科・消化器外科で連携した治療について、ひまわり編集部がきいてきました!
田中Dr:まずは、早期発見のために内視鏡での検査を定期的に受けていただくことが大切です。そのためには、「また受けようかな?」と思っていただけるようになるべく苦痛が少ない内視鏡検査をおこなうよう心がけています。胃カメラであれば、細いカメラで高性能のものを使用しています。大腸内視鏡ではご希望があれば苦痛を軽減するための鎮静をおこない、できるだけ負担が少なくなるようにしています。小腸の病気が疑われればカプセル内視鏡も施行しています。
内藤Dr:コロナ禍で病院に行きづらいという方が増えたと思うんです。当院でも全国的にも、早めに受診していれば早い段階で見つかったかもしれないという方が多くいます。何か異常があれば、大丈夫だろうと自己判断で放置せず、医療機関を受診していただくことが大事だと思います。
田中Dr:年々増加傾向にある潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患はいったん発症すると症状の改善と悪化を繰り返すことが多い治りにくい疾患です。最近治療薬の進歩が目覚ましく、以前なら入院せざるを得なかった状況でも、外来通院での治療が可能となってきました。当院でもたくさんの患者さんが通院されています。悪化していないかを確認するために定期的な検査と内視鏡をきっちりとおこなっていくことが重要です。
田中Dr:そうです。食道がん、胃がんや大腸がんでは早期発見ができれば、内視鏡でその部分だけの切除をおこなうことでほぼ完治が見込めます。当院でもたくさんの内視鏡による切除をおこなっています。食道、胃、大腸も完全に残った状態ですので、今後の身体的な負担も全くありません。そのため早期発見が非常に大切になります。
内藤Dr:がん患者さんの場合は開業医の先生方から手術目的に直接ご紹介いただくこともあります。救急受診されるかたで、急性胆のう炎や虫垂炎、消化管穿孔などは緊急の手術になる場合もあります。しかしいちばん多いのは、消化器内科からの外科的治療依頼です。消化器内科の外来で進行などが見つかった患者さんに対して、すぐ横の診察室なので、その場でドアをたたきすぐに相談してもらうということも結構あります。早期治療が必要な方もいますので、「直接・すぐに」相談ができるということが当院の良さだと思います。
田中Dr:そうですね。症状があってから来院され、がんと診断された場合にはやはり残念ながら進行している場合が多く、消化器外科の先生にお願いして手術をしていただくことになりますね。当院は外来診察室が隣どうしであり、また入院でも病棟が一緒なのですぐに医師同士のディスカッションが可能で、スムーズに連携しています。
田中Dr:週に1回カンファレンスを開催しています。
消化器内科・外科の医師だけでなく、放射線科・腫瘍内科の医師・看護師も参加しています。消化器内科の患者さんで手術が必要と思われる場合はその場で治療方針を相談・検討しています。
内藤Dr:他職種からの意見を取り入れることができますので、外科の患者さんでも手術の前に抗がん剤治療をしておいた方が良いのでは?という患者さんについては腫瘍内科の先生にご相談し、皆で最良の治療法を検討しています。
田中Dr:もちろん、個人的にも日々他科の先生方には相談させていただき最善の治療を選択出来るよう連携しています。お話ししてきた通り、当院は診療科の垣根が低く専門外のことでも相談しやすい環境が整っていると思います。
内藤Dr:当科では年間約300件の手術をしています。大腸がん・胃がんなどの悪性疾患、胆のう結石・虫垂炎・鼠径ヘルニアなどの良性疾患など幅広く対応しています。拡大手術で当院に無い診療科対応が必要な症例の場合は対応できる病院にご紹介しています。患者さんにとってより負担の少ない腹腔鏡下での手術を多くおこなっていますが、安全と確実な切除・再建を第一に考えて治療法は決定いたします。
田中Dr:まずは、気軽に外来で相談しやすい雰囲気づくりが重要と考えています。また苦痛をやわらげた内視鏡検査・最善の治療を今後もご提供していきたいと思います。
内藤Dr:これからも消化器内科・消化器外科で連携しながら、確実な治療をおこないます。地域の方々に信頼される病院を目指します。