予防できる子宮頸がん～HPVワクチン接種の効果とは？～｜京都市西京区の総合病院　三菱京都病院

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ひまわり編集部が聞く！Interview

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予防できる子宮頸がん～HPVワクチン接種の効果とは？～

2023.11.30

近年、若い年齢層の罹患増加が問題となっている子宮頸がん。その予防として効果のあるHPVワクチン接種や検診による早期発見についてきいてみました。

子宮頚がんの原因はなんですか？

佐々木Ｄｒ：子宮頸がんのほとんどはヒトパピローマウイルス（HPV）というウイルスの感染が原因です。性交渉によって子宮頚部にHPVに感染します。HPVに感染しても全ての人が子宮頸がんになるわけではなく、ほとんどの方は一度は感染しています。感染しても自然に消滅してしまうのですが、一部の方に持続感染してしまい、5年から10年かけて子宮頸がんになっていきます。

古武Dr：日本では、年間約1万人の方が子宮頸がんにかかり、約3000人がなくなっています。
特に20～40代　の若い世代の子宮頸がんが増えていて、亡くなられる方も45歳未満で年間500人弱ほどいます。子宮を失い、妊娠できなくなってしまう方もいらっしゃいます。

予防はできますか？

古武Dr：子宮頸がんは、「最も予防できるがん」です。一次予防としてHPVワクチン接種を受けて頂ければかなりの感染予防が期待できます。さらに二次予防として子宮頸がん検診を受けて早期発見につなげれば、子宮頸がんは予防できます。

HPVワクチンについて教えてください。

佐々木Dr：HPVワクチンには2価（サーバリックス）、4価（ガーダシル）、9価（シルガード9）の3種類あります。2価は子宮頸がんをおこしやすいHPV16型と18型の感染を防ぎ、4価は4タイプ、9価はそれらを含む9タイプのHPV感染を予防するワクチンです。

HPVワクチンの効果や安全性について教えてください。

古武Dr：効果はかなり期待できます。2価・4価で50～70％、9価は80～90％のHPV感染を防ぐことができるのです。安全性については一般的な接種部位の痛みや腫れなどはある方はいらっしゃいます。しかし、WHOのワクチンの安全性に関する専門委員会が世界中の最新データを継続的に解析していますが重篤な有害事象は見つかっていません。

長田Dr：日本では、2013年6月から副反応問題によって、積極的接種勧奨の差し控えが約9年間続いていましたよね。その後、HPVワクチンと安全性に関する知見が得られたので2022年4月より積極的接種勧奨が再開しています。HPVワクチン接種は9歳から可能ですが、現在日本では小学校6年生から高校1年生の方は公費で受けられます。接種機会を逃した26才（1997年4月2日生まれ）までの方もキャッチアップ接種として公費で接種できますよ。（2025年3月末まで）

HPVは何歳くらいで接種した方が良いのでしょうか？

長田Dr：できるだけ若い間の接種が望ましいです。お話ししたとおり、HPV感染は性交渉により感染しますので、初交まえにできるだけ早く接種しておくとより有効性はあがります。15歳以上だと3回接種が必要ですが、9歳～14歳まででしたら2回の接種で良いので接種負担も軽減されますし、接種公費対象の間に接種頂くと、費用の負担もなくなります。

古武Dr：公費ではありませんが9歳以上の男子の接種も可能です。男の子も予防すれば、さらに感染がなくなると思います。HPV感染による中咽頭がんが男女ともに増えているのですが、こちらの予防にもなりますよ。

佐々木Dr：当院ではHPV外来が設置されていますので、そこで6年生からキャッチアップ世代までの接種が可能です。

子宮頸がん予防の検診について教えてください。

佐々木Dr：子宮頸がんの検診は、がん検診の効果が科学的に証明されている「5大がん検診」の１つとされています。20歳を過ぎたら、2年に1回受けていただくとがんになる前に発見されやすくなりますので、是非受けていただきたいと思います。

最後に一言

佐々木Dr：お話ししてきたとおり、子宮頸がんはHPVワクチン接種と子宮頸がん検診を受けることにより防げる病気です。HPVワクチンに関して不安や疑問がございましたら、小児科・産婦人科の受診の際にお気軽にお尋ねください。

当院でのHPVワクチン接種　月・火曜日15：30～16：00
ご希望の方は、予約センターまでご連絡ください。

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