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鼓動が乱れてしまう不整脈。その中でも心房細動は高齢化社会において徐々に増加しています。当院では不整脈のさまざまな治療をおこない、さらにあらたな治療法も可能になりました。今回は当院の不整脈の治療について横松 孝史心臓内科主任部長、川治 徹真心臓内科担当医長兼不整脈班チーフ、中 美咲医師にひまわり編集部がきいてみました。
横松Dr: 心臓は電気信号により心筋が収縮することで動いています。不整脈は、その心臓の電気信号に乱れが生じ心臓の拍動のリズムが不規則になった状態です。
不整脈といっても色々な種類があって治療の必要ないものから、すぐに治療をしないと命に関わるものまでさまざまです。不整脈のなかでも心房細動は年齢が上がっていくと頻度が増えてくる病気のため近年増加傾向にあります。
横松Dr: 心臓のリズムが不規則になりますので動悸を感じる方もいます。脈が不規則で速くなようなことが続くと心不全になったりもします。また、心房細動は心房・心室のリズムが乱れ細かく震えるような状態になるので、血がよどんでしまったりします。それが血栓となり、脳にとんでしまい脳梗塞を起こしてしまうこともあります。心不全・脳梗塞をおこさないためにも、それを予防・治療していくことが大切です。
中Dr: リスクがあるのはやっぱり生活習慣病です。心臓の病気を予防するためには、肥満防止・禁煙・禁酒・規則正しい生活などが大切になってきます。
川治DR: まずはお薬での治療があります。不整脈自体を抑える薬と、心不全・脳梗塞などの合併症を予防・治療する薬の大きく分けて2つがあります
不整脈を根本的に治す治療法としては、足からのカテーテルで悪い電気を焼いて壊して正常に
また、心臓の動きが遅い人や電気系統が悪い人に対して機械的に電気を送るペースメーカー治療があります。
あとは、心臓の動きを監視し、頻脈が検出されると電気ショックを自動で作動するICD(植え込み型除細動器)治療があります。
当院では、あらたに2023年12月より、脳梗塞のリスクのある方には、WATCHMANによる治療(経カテーテル左心耳閉鎖術)も導入しました。
川治Dr: 心房細動での脳梗塞は、ほとんど左心耳にできるため、そこにカテーテルで蓋をします。それによって、抗凝固薬を飲まずに出血リスクを減らし血栓を予防できるという治療です。日本でもこの数年で可能になった治療で、京都市内でも4件のみおこなっています。
出血リスクが多い方にはおすすめしますが、基本的には不整脈の治療はアブレーション治療をおこないます。
中Dr: 薬で根治は難しいですね。アブレーション治療によって発作性心房細動の方であれば根治する確率も高いです。持続性心房細動の方の場合は、アブレーション治療を数回おこなうことで根治できる方もいらっしゃいます。アブレーションで治癒した方も薬でのコントロールはしばらく続けることにはなります。
横松Dr: 症状がなくても、検診などを受けて早期発見・早期治療をおこなえば治る病気ですので、早めの受診をしてください。
当院では不整脈治療において新しい技術をどんどん取り入れています。治療に対して怖いと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、安心してご受診いただき、ご不安なことがあれば何でもご相談ください。