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2024年7月より無痛分娩を開始いたしました。当院の無痛分娩の特徴について編集部がきいてみました!!
中妻Dr:陣痛の痛みをとる分娩方法です。方法は施設によってさまざまですが、点滴で痛みを止める方法もあれば、世界で共通して多いのは硬膜外麻酔を使用し、分娩をおこなう方法です。
当院でも硬膜外麻酔で痛みをとる無痛分娩をおこなっています。まったく痛みが無いわけではなく、やわらぐので進み具合を感じながらお産ができます。
池垣Dr:お産の痛みを伝える神経は、背骨の中にあります。そこで、背骨の部分にある「硬膜外腔」というところにチューブを入れ、管から薬剤を注入して痛みをとる方法です。
子宮や産道からの痛みを脊髄で遮断するため、痛みを効果的にやわらげ、お母さんの意識も保たれ、赤ちゃんへの影響もほとんどありません。
長野助産師:痛みが少ないからこそリラックスして過ごすことができます。また、痛みが和らぐ分、産後の育児のための体力を温存することもできます。
中妻Dr:妊娠中から陣痛の痛みを不安に感じる方もいらっしゃいます。そんな心の負担を無くし、軽くすることもできます。無痛分娩を選ぶことで妊婦生活の気持ちを楽に送っていただくこともできます。
もちろん、合併症があったり、心臓に負担をかけられない方や精神的にパニックになりやすい方、体力があまりないという方には良いと思います。
中妻Dr:お産の時間が長くなってしまうことが知られています。特にいきむ時間が長くなると言われていて、赤ちゃんが降りてこられずに吸引分娩や鉗子分娩になることがあると言われています。
池垣Dr:麻酔薬の影響ですこし、いきむ力が弱まってしまうので、分娩時間が伸びるということが起こることもあります。
当院では、硬膜外麻酔を麻酔科専門医がおこなうことが特徴です。普段から術後の痛み止めとして硬膜外麻酔を扱い慣れている麻酔科専門医がおこないますので、より安心していただけると思います。
中妻Dr:麻酔科の専門医と無痛分娩をおこなうことは、何か起こったときに連携して対応できますので安心ですし、なによりやっぱりチューブを入れるのが上手い!チューブが上手く入れられないと麻酔の効き目が悪かったり、途中で抜けたりとトラブルにつながります。その点、麻酔科の専門医は慣れていますのでお上手です。「麻酔の質の担保」ができるのです。
長野助産師:助産師はお母さんのそばにいることが一番多いと思うので、医師と決めたしっかりとしたマニュアルに従って、合併症や副作用の症状、血圧、麻酔の効き具合なども適宜観察していきます。また、医師と助産師が勉強会やシミュレーションを開催して、情報・知識の共有をおこなっています。
中妻Dr:日本全国、無痛分娩は広がってきているのですが、当院ではガイドラインをしっかり守るということを心がけています。また、実績の高い他の医療機関と連携を取りながら、情報を共有しリスクに対しても対応できるようマニュアル化もしています。
当院は総合病院ですので、何かトラブルが起こったときにも他科と連携を取り対応できますので、そういう部分でも安心だと思います。どのような分娩を選ぶかということは、患者さんの権利だと思います。お産の一つの選択肢として当院でも無痛分娩が選べるようになりましたので、分娩の痛みなどがご不安の方がいらっしゃいましたら、是非お気軽にご相談ください。