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重症新型コロナウイルス感染症による医療の逼迫について

2020.12.18
重症新型コロナウイルス感染症による医療の逼迫について

 

京都大学医学部附属病院 病院長 宮本 享
京都府立医科大学附属病院 病院長 夜久 均
京都第一赤十字病院 病院長 池田栄人
京都第二赤十字病院 病院長 小林 裕
京都医療センター 病院長 小池 薫
宇治徳洲会病院 病院長 末吉 敦
京都市立病院 病院長 黒田啓史
京都桂病院 病院長 若園𠮷裕
康生会武田病院 病院長 武田 純
医仁会武田総合病院 病院長 三森経世
洛和会音羽病院 病院長 二宮 清
三菱京都病院 病院長 小野晋司
京都岡本記念病院 病院長 髙木敏貴
舞鶴共済病院 病院長 布施春樹

 

新型コロナウイルス感染症の第3波による感染急拡大により、感染症治療以外の医療が甚大な影響を受けています。

すでに京都府内のいずれの医療機関においても救急患者の受け入れに支障がでており、予定の入院や手術が延期を余儀なくされています。

この状況を鑑み、これまで京都府において新型コロナウイルス感染症重症患者の入院治療を担ってきたすべての病院が共同し、医療崩壊に関する警鐘のメッセージを発出いたします。

 

新型コロナウイルス感染症重症患者受入医療機関からのメッセージ

 

  1. 1. 新型コロナウイルス感染症の重症患者数が増加しており、京都府においてこれまで重症患者を受け入れてきた病院が重症患者を受け入れる余裕がなくなりつつあります。

このまま感染が拡大し、新型コロナウイルス感染症の重症患者数が京都府において30名(京都市において15名)に達した場合には、がん、脳卒中、心臓病あるいは救急医療など通常の医療が殆ど停止するような医療崩壊をきたしかねない危機的な状況になります。

 

  1. 2. 医療崩壊を防ぐためにも、またコロナ以外の疾患を持つ患者の救える命を救うためにも、人々が移動し無症候の陽性者と接触する機会を減らして、新規感染者の発生を抑える必要があります。

国民の皆様におかれましては、行政のGo To政策にかかわらず、感染拡大が収まるまでの間、不要不急の外出や多人数での飲酒を伴う会食などを何卒お控えいただきますようお願い申し上げます。

 

  1. 3. 現在、京都府のモニタリング指標から「特別警戒基準」という警告が出されており、1日の新規陽性患者(1週間平均)が50人台の日が続いています。この数が20人程度になれば1段階下の「警戒基準」に戻り、何とか医療機関も持ちこたえられ、経済も回しながらコロナ禍を乗り切ることができると考えます。どうぞよろしくご協力のほどお願いいたします。

 

 
 

(詳細説明)

第1波発生時より京都府においては医療機関における役割分担が機能してきました。

すなわち医師会が担う患者の初診、PCR検査センター、軽症~中等症患者受入医療機関、そしてECMO対応が可能な(すなわち人工心肺を用いた心臓血管外科手術を行える)13病院(以下、重症患者受入医療機関)が連携しながら、それぞれの役割を全うしてきました。

 

京都府内においては重症患者受入医療機関が京都府における新型コロナウイルス感染症重症患者を第1波以来すべて受け入れてきました。それ以外の医療機関において重症患者を受容することはほぼ困難です。なお、この13病院の中には自院入院患者が重症化した場合にはなんとか対応できても、他院から重症例を受け入れることが困難な病院も含まれ、他院から応需できるのは主に6施設に限定されています。

 

新型コロナウイルス感染症の重症患者数が増加しており、これまで京都府において重症患者を受け入れてきた病院が重症患者を受け入れる余裕がなくなりつつあります。

重症患者受入医療機関が現在以上の重症患者を受け入れるためには、現在でもすでに制限されつつある脳卒中、心臓病などの救急医療、がん医療、また移植医療やICUを必要とする高度な手術をさらに制限する必要があり、それらの制限を行ったとしても 2週間以内を目途に運用可能となる病床数は限定的です。

 

これまで京都府において人工呼吸器またはECMOを要する重症患者の大多数を受け入れてきた医療機関6施設において、昨年の1月の重症脳卒中、循環器疾患患者の数を分析しますと、およそ1日平均合計120人をそれらの病院で入院加療しており、もしこのまま感染が拡大し、新型コロナウイルス感染症の重症患者数が京都府において30名程度(京都市において15名)に達した場合に、第1波の5月と同様に病床稼働が約50%に低下すると仮定した場合、京都府で一日約60人の重症脳卒中、循環器疾患患者が治療を受けられなくなる予想になります。今後本格的な冬の季節を迎え、脳卒中、循環器疾患が増える中、昨年まで助けられていた命が救えなくなる可能性があり、これがまさに医療崩壊であり危機的な状況になります。

 

確保病床数として公表されている数と、実際に運用可能な病床数とは異なることについては、すでに他府県や日本医師会からも指摘されています。病床や医療機器を準備しても、それを扱う看護師、医療技術者は一朝一夕には増やすこと、育成することができないからです。

京都府においてもそれは同じで、公表されている重症病床数と重症患者受入医療機関13病院の現実との間には乖離があります。いかに行政からの要望があっても、また他の診療を抑制しても重症受入病床を増やすことには現実的な限界があります。

重症受入病床が新規患者を受け入れられない満床状態となると、軽症~中等症患者受入医療機関に入院していた患者が重症化した場合に、重症患者受入医療機関へ転院させることができなくなります。その結果、重症患者受入医療機関のみならず軽症~中等症患者受入医療機関も機能不全となり、コロナ対応のみならず医療全体の崩壊につながります。

 

緊急受入れをすることになった新型コロナウイルス感染症重症例に対するECMO導入のために、事前に救急入院し緊急手術待機中であった患者が手術を受けられなくなり、他院へ転送されるという事例がすでに発生しており、医療はすでに逼迫しつつあり、新型コロナウイルス感染症以外の患者が治療を受ける機会を失いかねない危機的な状況となっています。

 

季節的要因も重なり,全国的に感染が拡大している中,京都府内においても,新たなクラスターが発生するなど,バーや居酒屋等での飲食に起因する感染が再び勢いを強めています。また,これまで比較的少なかった大学生の感染事例も増加しています。このままでは,京都府内に感染が拡大しつづけ,それに伴い重症患者も増加し続けるおそれが強いといわざるを得ません。

今直ちにできる医療機関,医療従事者への最大の支援は,感染者を増やさないことです。

医療崩壊を防ぐためにも、またコロナ以外の疾患を持つ患者の救える命を救うためにも、新規感染者の発生を抑える必要があります。行動自粛が呼びかけられている他の都道府県に比して、京都府においてはまだ人出が多く混雑しているエリアがあります。

国民の皆様におかれましては、行政のGo To政策にかかわらず、感染拡大が収まるまでの間、不要不急の外出や多人数での飲酒を伴う会食などを 何卒お控えいただきますようお願い申し上げます。

 

行政には、人々が移動し無症候の陽性者と接触する機会を減らし感染者発生を抑制するための施策や、行動自粛など強い警鐘メッセージの発出をとっていただくことを強く要望します。

 

 

 

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